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パン屋開業に必要な手続き

パン屋さんの開業方法について解説します。

といっても私たちは行政書士であり、パン屋を開いた経験はないので、美味しいパンの焼き方や、効果的なお店の宣伝方法などについてアドバイスできるわけではありません。

あくまで行政書士の立場から、パン屋の開業に必要な許可や手続きに焦点を絞ってご説明したいと思います。 なお、当事務所が東京・神奈川を商圏としている関係上、その2(都)県を例に挙げての説明となります。 地域によっては全く異なる可能性があることを予めご了承ください。

あなたの開きたいお店はどのタイプ?

一口にパン屋といっても色々な形態があり、必要な許可・届出も変わります。 ここではお店のタイプを4つに分けてみました。

手製のパンを焼き、販売するお店

自分で生地を焼いたパンを店頭で販売するタイプのお店です。パン屋さんといえば普通はこのタイプのお店のことでしょう。

なお小麦粉をこねて自分で生地を作るお店に限らず、冷凍食品の生地を焼いてパンを作るお店も、このタイプに含まれます。

必要な許可・届出

販売するパンの種類によって必要な許可が変わります。

食パンや、あんパン・ジャムパンなどの菓子パンを作って販売するのであれば、菓子製造業の許可が必要になります。(許可を取るための条件等についてはこの後で解説します。)

食パンや菓子パンを販売せず、サンドイッチや惣菜パンなどの「調理パン」だけを作って(自分で焼いて)販売する場合は、自治体によって必要な許可・届出が変わります。

サンドイッチはお弁当に入るとの判断で、飲食店営業許可だけあればいいとする保健所と、飲食店営業許可と菓子製造業許可の両方が必要と判断する保健所があります。

私が知る範囲では、東京の保健所は前者で、神奈川では前者と後者の保健所が混在しています。 あるいは東京にも後者の判断をする保健所があるのかもしれません。お店の営業形態やサンドイッチの種類によっても変わるので、詳しくはお店を出す地域の保健所にお問い合わせください。

菓子パンもサンドイッチも作る場合(多くのパン屋さんはそうでしょう)、菓子製造業許可と飲食店営業許可の両方が必要になります。

手製のパンを焼き、その場で食べてもらうお店

自分で焼いたパンをその場で食べてもらうタイプのお店です。ベーカリーカフェ等がそうです。

必要な許可・届出

焼いたパンをお店で食べてもらうだけであれば、飲食店営業許可があれば十分です。 加えてテイクアウトでも販売するなら、(パンの種類や自治体にもよりますが)菓子製造業許可も併せて必要になるでしょう。

仕入れたパンを使ってサンドイッチを作るお店

業者が製造したパンに、自分で作った(または市販の)具材をはさんでサンドイッチ等として販売するタイプのお店です。 パン屋さんよりお弁当屋さんと呼ぶのがふさわしいかもしれません。

必要な許可・届出

飲食店営業の許可が必要になります。許可を取るための条件等について詳しくは『飲食店開業ガイド:営業許可編』をご覧ください。

仕入れたパンをそのまま販売するお店

業者が製造したパン(例えばヤマザキパン)を仕入れ、そのまま販売するタイプのお店です。 コンビニやスーパーなどがそうです。

必要な許可・届出

東京都と神奈川県で、必要な許可・届出が変わります。また販売するパンの種類によっても変わります。

東京都で食パンや菓子パンを販売するのであれば、特に許可は必要ありません。サンドイッチを販売する場合は、食料品等販売業の許可を取る必要があります。

食料品等販売業の許可とは、東京で(業者が製造した)お弁当やサンドイッチ、お惣菜などを販売するのに必要な許可です。 許可の取得のために求められる施設基準には、例えば以下のものがあります。

  • 建物は十分な耐久性を有する構造であること。
  • 床は耐水性で、清掃しやすい構造であること。
    (ただし、水を使用しない場所は、厚板を使用することができる。)
  • 内壁は高さ1メートルまで耐水性で、清掃しやすい構造であること。
    (ただし、水を使用しない場所は、この限りでない。)
  • ねずみや昆虫の侵入を防ぐ設備を備えていること。
  • 換気設備を備えていること。
  • 流水式洗浄設備を備えていること。
  • 流水受槽式手荒い設備と手指の消毒装置を備えていること。
  • 取扱量に応じた陳列ケース及び取り扱い器具を備えていること。
  • 常に5℃以下に冷却できる冷蔵設備を備えていること。
  • 製品の運搬容器はふたがあり専用のものであること。

お弁当やサンドイッチ、お惣菜を販売するための基準にしてはやや大げさに思えるかもしれませんが、 これはお惣菜をお客が取り分けて購入するタイプのお店なども想定に入れているからであり、予め包装された製品だけを販売するのであれば、基準はいくらか緩和されるようです。

なお、お祭りやバザーなどで短期間に限った販売をする場合は、臨時の販売業許可を取得すれば良く、また別の基準が適用されます。

一方神奈川県においては、販売する食品ごとに必要な届出が細かく定められています。 サンドイッチを販売するなら食品販売業の届出を、菓子パンを販売するのにも菓子販売業の届出をする必要があります。

東京と違って、求められるのは「許可」ではなく「届出」です。 「届出」は「許可」よりも意味が軽いと思ってください。 種類にもよりますが、審査がないぶん比較的手続きが容易なことが多いです。

菓子製造業許可ってどんな許可?

自分で焼いたパンやクレープ、自分で作ったクッキー、ジャム、和菓子などを店頭で販売するのに必要な許可です。パンを自分で焼くのに必要な許可ではありません。

自分で焼いたパンを店頭で販売するために必要な許可です。 焼いたパンをお店で食べてもらうのであればこの許可は必要なく、替わりに飲食店営業許可が必要になります。

またパンの種類がサンドイッチ(調理パン)であるならば、自治体によっては、店頭で販売するにあたっても、この許可は不要とされます。 やはり飲食店営業許可が必要になります。

※菓子製造業許可と飲食店営業許可を併せて取得することを求められる自治体もあります。

逆にいえば菓子製造業許可があっても、自分で作ったサンドイッチ(調理パン)を販売することはできません。 菓子パンもサンドイッチも両方販売したい場合は、この許可と飲食店営業許可の両方を取得することになります。

許可の有効期限はおよそ5〜9年。

施設や製造量、営業形態によって期限が変わりますが、6〜7年認められるケースが多いでしょう。

取得のための手続きは飲食店営業許可と同じようなものなので、『飲食店開業ガイド:営業許可編』をご覧ください。

調理パンとその他のパン

これまで見てきたように、営業許可を取得するに当たっては、販売するパンがサンドイッチなのか、それともそれ以外のパンであるのかが重要な意味を持ちます。 保健所は前者を調理パンと呼び、その他のパンと区別しています。

調理パンとは概していうなら、焼いた後に調理加工が必要なパンのこと。サンドイッチや惣菜パンがそうです。

焼いた後に調理が必要なものは菓子パンの中にも多くあるはずですが、お菓子と呼ぶ方が近いパンは菓子パン扱いとなるようです。 例えば揚げパンやチョココロネパンは、焼いた後に調理(砂糖をまぶしたりチョコクリームを詰めたり)が必要ですが、菓子パンとされます

反対に、焼いた後に調理を行わないパンでも、例えばピザパンやピロシキなどは具材等によっては、調理パンとみなされることもあるかもしれません。 その辺り厳密な区分はないので、品目ごとに保健所の判断を仰ぐことになります。

※あくまで保健所の基準です。

余談ながら(財)流通システム開発センターが提供する『JICFS』という基準では、 揚げパンは調理パンに、チョココロネパンは生菓子・半生菓子に分類されるそうです。

営業許可申請書

誰がどこで営業するのかといった基本的な内容を記入します。

営業設備の大要

お店の設備について記入します。 配置図(厨房設備、製造機器、トイレなどの位置を表す図)や、周辺の地図を書くことも求められるので、作成はやや面倒です。

食品衛生責任者設置届

食品衛生責任者の氏名等を記入します。

なお提出の際、資格を証明するもの(講習の修了証など)の提示を窓口で求められることが多いようです。 東京都では営業許可申請書と兼ねるのでこの書類はありません。

許可申請手数料

自治体により金額が変わりますが、おそよ15,000円前後です。

水質検査成績書

貯水槽や井戸水を利用する場合は提出します。ビルのフロアを借りて営業する場合に必要になることが多いですが、おそらくビルのオーナーの方で検査を済ませているはずなので、もらうと良いでしょう。(貯水槽などを使う場合のみ。)

登記事項証明書

申請者が法人の場合のみ。

製造工程表

神奈川県のみ。

必要な施設基準

菓子製造業許可の取得のために求められる施設基準には、例えば以下のものがあります(ここでは東京都の基準を例に挙げます。)。

  • 床は耐水性で、清掃しやすい構造であること。
    (ただし、水を使用しない場所は、厚板を使用することができる。)
  • 内壁は高さ1メートルまで耐水性で、清掃しやすい構造であること。
    (ただし、水を使用しない場所は、この限りでない。)
  • ねずみや昆虫の侵入を防ぐ設備を備えていること。
  • 換気設備を備えていること。
  • 施設の明るさは、50ルクス以上とすること。
  • 流水式洗浄設備を備えていること。
  • 流水受槽式手荒い設備と手指の消毒装置を備えていること。
  • 従業員用のトイレと流水受槽式手洗い設備、手指の消毒装置を設けること。
  • 従事者の数に応じた更衣室又は更衣箱を作業場外に設けること。
  • 施設は作業区分ごとに区画すること。
  • 作業場外に原料倉庫を設けること。
  • 製造量に応じた数及び能力のある焼き釜、蒸し器その他の必要な機械器具類を設けること。
  • 必要に応じて冷蔵設備を設けること。

飲食店営業許可に求められる施設基準と似ているので、よろしければそちらもご覧ください。 ここではいくつかの項目のみを取り上げて解説します。

流水式洗浄設備を備えていること

必要に応じた数のシンクが無ければいけません。

飲食店営業許可では2つ以上のシンクが必要とされていたのですが(東京都)、菓子製造業許可においては1つでも認められる可能性があります。

作業区分ごとに区画すること

施設は原則として作業区分ごとに区画されている必要があります(東京都)。

例えばパンを焼く場所と、包装する場所をパーティション等で区切ることを求められるかもしれません。ただし要求されない場合もあり、ケースバイケースです。

作業場外に原料倉庫を設けること

都の定める施設基準には、作業場外に原料倉庫を設けるようあります。

わざわざ「作業場外に」と指定してあるものの、実際には作業場に戸棚を設置するだけで認められるケースもあるようです。

製造場所が壁に囲まれていること【神奈川県】

これまでは東京都の施設基準についての説明でしたが、最後に神奈川県の施設基準について1点補足しておきます。

神奈川県においては、原則として製造場所が四方を壁で囲まれていることを求められます。

つまり製造場所と売り場がカウンターで区切られているのでは駄目で、製造場所はきちんと部屋として隔離され、ドアを通して売り場とつながっているなどでないと許可が下りない可能性が高いということです。

東京都においてもその方が望ましいとはされているのですが、神奈川県に比べると基準は緩めの印象です。

営業形態について

パン屋を開業するにあたっては、多くのお店が飲食店営業許可と菓子製造業許可の両方を取得します。 自分でパンを焼き、菓子パンとサンドイッチを販売するためには、両方の許可を取る必要があるからです。

その際に問題となるのは、施設の共有が許されるかという点。

営業許可は原則として「1施設1許可」であり、飲食店営業許可を取る施設と、菓子製造業許可を取る施設を別々に用意するのが本来あるべき形です。

しかしパン屋を開くにあたっては、施設の共有が認められています。

つまり、菓子パンを製造する施設とサンドイッチを調理する施設を、わざわざ別個に用意せずに済むのですが、営業形態によっては施設を分けるよう求められる可能性があります。

例えばあなたのお店が自分で焼いた食パンやサンドイッチだけでなく、その他の手製のお惣菜や食品も販売するケースを考えます。

唐揚げやサラダ等をサイドメニューとして少量販売する程度なら問題は無いでしょうが、各種のお弁当まで作って本格的に販売するようだと、 それは1つの施設にパン屋さんとお弁当屋さんという2つのお店が存在しているようなものであり、施設を分けるよう求められる可能性が上がります。

つまり飲食店営業許可を持っているからといって、パン屋さんが通常の飲食店のように自由に振る舞えるわけではないということです。 1つの施設が2つの営業許可を持っている場合、どちらが主でどちらが従であるのかが明らかでなければいけません。

関連するその他の許可・資格

パン屋さんに関連するその他の営業許可・資格をご紹介します。

乳類販売業許可

牛乳やヨーグルトなどの乳製品を販売するのに必要な許可です。

アイスクリーム製造業許可

手製のアイスクリームを店頭で販売する際に必要になる許可です。

仕入れたアイスクリームをそのまま販売したり、飲食店が手製のアイスクリームをその場で提供する分には要りません。

パン製造技能士

持っていればパン職人としてはくが付くという資格です。パン屋を開業するにあたって必要なものではありません。


行政書士法人シグマでは、飲食店営業許可だけではなく菓子製造業許可の手続き代行も承っています。

菓子製造業でお悩みがありましたら、まずはお気軽に一度ご相談ください。

03-5843-8541

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